コラム
空き地・空き家を放置するとどうなる?固定資産税や都市計画税の住宅用地特例について解説

空き地や空き家を所有していると、住んでいなくても毎年固定資産税や都市計画税が課せられます。これらの税金は放置されている不動産にも適用される点に注意が必要です。空き家には住宅用地特例と呼ばれる特例措置が存在し、一定の条件を満たせば税負担を大幅に軽減できます。
しかし、適用条件や管理状態によっては特例を受けられずに税金が増える可能性もあるため、適切な管理が求められるでしょう。本記事では、空き家に課せられる税金や住宅用地特例による税金の軽減率について紹介します。
Contents
1.空き家に課される固定資産税と都市計画税とは?

空き家を所有していると、固定資産税や都市計画税が課税されます。これらの税金は、土地や家屋に住んでおらず、空き家として放置している場合にも適用されるため、その管理には注意が必要です。
都市計画税は、市街化区域にある土地や家屋に課される地方税です。市街化区域とは、都市計画法が指定している都市計画区域の一つであり、すでに市街地を形成している区域や、およそ10年以内に優先的かつ計画的に市街地化を図るべき区域を指します。
つまり、住宅地や商業地が形成されている区域や自治体が市街地化に向けて計画を立て、道路や公園、下水道などの都市機能や施設の整備を、推進している区域です。この地域内に空き家が存在すると、都市計画税が課税されることになります。
固定資産税は、毎年1月1日現在で固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有しているすべての人に課される税金です。所有者がその資産をどのように利用しているかにかかわらず課税され、空き家でもそのまま課税されるため、利用していない空き家でも税金の支払いは発生します。ただし、用途によって非課税や減免が適用される場合もあります。
2.住宅用地特例とは?

住宅用地特例は、固定資産税や都市計画税の課税において、住宅用地(住宅やアパートなどの住居用の土地)に対して適用される特例措置です。特例措置により、住宅用地として利用されている土地の固定資産税が軽減されることがあります。
2.1.小規模住宅用地
小規模住宅用地とは、200平方メートル以下の住宅用地、または200平方メートルを超える場合は、1戸あたり200平方メートルまでの部分を指します。小規模住宅用地には、固定資産税や都市計画税の軽減措置が設けられています。
具体的には以下の通りです。
・固定資産税は、価格(評価額)の6分の1の額とする
・都市計画税は、価格(評価額)の3分の1の額とする
この特例措置が適用されれば住宅用地にかかる税負担が軽減されるため、小規模住宅用地を所有する方にとっては大きなメリットとなるでしょう。
2.2.一般住宅用地
一般住宅用地とは、住宅1戸あたりの土地面積が200平方メートルを超える部分の住宅用地を指します。
こちらに該当した場合の軽減措置は以下の通りです。
・固定資産税は、価格(評価額)の3分の1の額とする
・都市計画税は、価格(評価額)の3分の2の額とする
小規模住宅用地よりも土地の範囲が広いため、軽減率は少なめですが、通常の住宅にかかる税額よりかは、負担を大きく軽減できるでしょう。
3.空き家にも住宅用地特例は適用される

前提として、居住者がいるかいないかにかかわらず、不動産の所有者には固定資産税や都市計画税が課されます。空き家も例外ではありません。しかし、住宅用地特例については、住宅が建っていることが条件の一つです。そのため、空き家であっても特定空き家として指定されていなければ、住宅用地特例が適用され、税金の負担を軽減できます。
3.1.更地にすると住宅用地特例は適用されなくなる
もし、空き家を解体して更地にしてしまうと、住宅用地特例が適用されなくなります。解体後は、建物に対する固定資産税がなくなりますが、土地にかかる税金については特例措置が適用されないため、固定資産税が通常の税率で課税されます。その結果、特例による軽減を受けていた部分がなくなり、納める必要のある税金の総額が増えてしまう可能性がある点に注意が必要です。
4.特定空き家や管理不全空き家に指定されると住宅用地特例が適用されない

「特定空き家」とは、空き家法にもとづき、放置すべきではないと判断された空き家を指し、地域社会に対して危険をおよぼすおそれがあるとして問題視されています。特定空き家に指定されると、住宅用地特例が適用されず、税制上の優遇措置を受けられません。特定空き家に指定されないためにも、空き家の適切な管理や使用が求められます。
また、2023年からは「管理不全空き家」と呼ばれる新たな分類が制度化されました。管理不全空き家とは、現時点では特定空き家に指定されてはいないものの、放置され続けることで将来的に特定空き家に指定されるリスクがあると判断された空き家を指します。
管理不全空き家に指定された場合も、住宅用地特例を受けられなくなってしまうため、税制優遇措置を利用するためには、空き家の適切な管理が欠かせません。
特定空き家や管理不全空き家に指定されてしまう条件については、以下のコラムで紹介しているため、あわせて参考にしてください。
空き地・空き家を有効活用して現金化!放置リスクを回避するための具体策
5.空き家の管理に手が回らない場合は売却を検討しよう

空き家を放置して、特定空き家や管理不全空き家に指定されてしまえば、特例措置が適用されず税金が高くなってしまうリスクがあります。そのため、継続的な管理が難しい場合は、売却を検討するのも一つの手段です。
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