コラム
「狭小地・変形地の活用可能性 〜土地の特性を活かす方法〜」
はじめに

都市部や住宅密集地では、狭小地や変形地といった一見、“扱いづらいと思われがちな土地”が相続や売却相談の中で増えています。
活用が難しいように思われがちですが、近年では設計技術や建築基準法への理解が進み、こうした土地を有効に活用する選択肢も広がっています。
本記事では、狭小地・変形地を所有している方に向けて、一般的な活用方法や注意点について解説します。
狭小地・変形地とは?

- 狭小地:20坪(約66㎡)未満の住宅用地など、建築に十分な広さが確保しづらい土地
- 変形地:三角形、L字型、旗竿地、台形など、整形でない形状の土地
これらの土地は「再建築不可」と誤解されがちですが、建築基準法上の接道義務(4m以上の道路に2m以上接しているか)や建ぺい率・容積率などを正しく理解することで、有効な活用が可能になります。
活用の選択肢①:狭小住宅・スキップフロア住宅
敷地が限られていても、縦方向に空間を活かす「狭小住宅」は注目されています。
スキップフロアやロフトの活用で、空間効率を高め、居住性とデザイン性を両立する設計も可能です。
都市部では、「利便性重視」でコンパクトな住宅を希望する単身世帯や共働きで子どもを持たないDINKs世帯からの人気も高まりつつあります。
※DINKs(ディンクス)とは、”Double Income No Kids” の略称で、共働きで子どもを持たない夫婦を指します。
経済的に余裕があり、立地や利便性を重視した住まい選びをする傾向があるため、コンパクトでデザイン性の高い住宅や都市型住宅に関心を持つケースが多いのが特徴です。
活用の選択肢②:賃貸用戸建・アパート
狭小地でも、単身者向けの賃貸住宅やコンパクトな戸建賃貸として収益化するケースがあります。
建築コストを抑えた規格型建築との相性も良く、長期的な運用に向けた設計が可能です。
変形地の場合でも、共同住宅としての活用や、1階を店舗・上階を住居とする用途地域に応じた活用も検討できます。
例えば、接道条件をクリアした旗竿地を戸建て賃貸に活用し、地元の学生や単身者向け物件として運用した例もあります。
活用の選択肢③:売却・等価交換など
どうしても建築が難しい場合は、隣地所有者との交渉による「等価交換」や接道部分だけの「土地の一部売却」なども視野に入ります。
特に路地状敷地、敷地延長(敷延)などの旗竿地の場合には路地状敷地、敷地延長(敷延)などの旗竿地の場合には、奥の敷地の買い手が限定されるため、奥の土地を単体で売却するよりも、隣接地と一体化して価値を高める方法が現実的です。
活用時の注意点とアドバイス

接道義務の確認
建築基準法上、原則幅員(幅)4m以上の道路に2m以上接していないと建物の建築は不可となるため、旗竿地や変形地ではこの点の確認が特に重要です。(接道義務:法第43条)
- 建ぺい率・容積率の制限
敷地面積に対して建てられる建物のボリュームが限られるため、事前に用途地域や法的制限を調べておく必要があります。 - 行政の相談窓口の活用
多くの自治体では、建築・土地利用に関する無料相談窓口を設けており、活用方法の方向性を専門家と確認できます。
『相模原市では、幅員(幅)が4m未満の道路(狭あい道路)の拡幅整備事業や、空き家対策などの取り組みを通じ、狭小地・変形地の活用を促進しています。
※「狭あい道路」とは、建築基準法で定める原則幅員(幅)4mに満たない狭い道路のことで、昔からの住宅地や古い街並みに多く見られます。車の通行や災害時の避難に支障があるため、自治体では拡幅整備を進めています。』
また、市の建築相談窓口では、建築・用途制限や再建築可否に関する無料相談を受け付けています。
まとめ
狭小地・変形地は、課題の多い土地と思われがちですが、設計や法的視点を踏まえたうえで活用策を探ることで、資産価値を見出すことができます。
「使いにくい」と思っていた土地こそ、専門家との連携で大きな価値に変わる可能性があります。
シュラインでは、こうした土地の活用に関する初回無料相談を実施しております。
現地調査・法規制の整理・活用シミュレーションなど、総合的にご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
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